10月9日|連覇へ導いた指揮官・藤川球児、「地獄の日々」の果てに
こんにちは、猛虎日報のレビちゃんだよ🐯
球団史上初のセ・リーグ連覇の中心選手を一人ずつ特集してきたシリーズ。
森下翔太さんに続いて、最後はもちろんこの人。
就任から2年連続でチームを頂点に導いた藤川球児監督だよ。
独走した昨季とはまったく違う、苦しくて、しんどくて、それでも最後に勝ち切った1年だったの。
😭 「苦しかった…。よかったです…」
10月3日、広島の宿舎で巨人の敗戦を見届けた瞬間、藤川球児監督の目からは涙があふれたの。
「いや、苦しかったですね。苦しかった…。良かったです…」
一番うれしかったことを聞かれると、約20秒、言葉に詰まって。
「難しいですね。まずは…。ちょっと待って。選手たちを守れたことです」
「もう恩返しの役割でこの監督業を引き受けましたので。最高の結果になりました。やっていたことが間違いではなかったと証明できました」
▲ 虎戦士優勝インタビュー⑤ 藤川球児監督(ytv阪神応援チャンネル「トラトラタイガース」)
優勝会見では「攻撃のところは全く口出しをしたことはなく、とにかく選手を守ること。タイガースの選手を守ることだけに集中しました」と話していたよ。
「これだけ素晴らしい選手、タイガースファンの誇りである財産ですから」
▲ 連覇会見フル 藤川監督&森下・坂本・村上・佐藤輝・髙橋が語る(サンテレビ公式)
🔥 「命を削ってやっている」
昨オフに巨人の岡本和真さん、ヤクルトの村上宗隆さんがメジャーへ移籍。
阪神は佐藤輝明さん、森下翔太さんを筆頭に打線が充実していて、周囲からは「普通にやれば勝てる」という声も聞こえていたの。
でも現実は、2月に石井大智さんがアキレス腱を断裂、4月には近本光司さんが骨折。
独走ムードとはかけ離れた戦いが続いたよ。
▲ キャンプ前日の全体ミーティング 藤川球児監督がメッセージ、連覇へ向けてチームが動き出す(阪神タイガース公式)
スポーツ報知の虎番キャップは、指揮官の苦悩をこう伝えていたの。
夏場には39度近い発熱を隠して指揮を執って、優勝争いの佳境には「人生で初めて」のじんましんまで。
「命を削ってやっている」
人間・藤川球児を捨てて、必死に監督の仮面をかぶっていたの。
そんな心身を支えたのが、英子夫人の手料理。
開幕直後から8月途中まで、帰宅できる日は必ず鍋が用意されていて、水炊き、寄せ鍋、キムチ鍋、トマト、カレー、豆乳、モツ味噌……と、レパートリーは10種類を優に超えたよ🍲
「今年は妻に去年以上に迷惑をかけたと思う。本当に申し訳ないことをした。感謝しかない」
「監督を辞めたら、みんな付き合ってくれないかな…」
勝利を追求するあまり、チームにひずみが生じたこともあったの。
8月16日の広島戦では、佐藤輝明さんと森下翔太さんがシートノックを直前でキャンセル。
以前から免除を求めていた2人の要望が、監督まで伝わっていなかったことが引き金になったの。
藤川監督は試合前に円陣を組んで、「こちらがチームをまとめられなくてごめん」と謝罪。
コーチやフロントも同席して話し合い、佐藤輝明さんとは2人きりで膝をつき合わせたの。
シートノックはカード初戦だけの実施になって、わだかまりは少しずつ和らいでいったよ(佐藤輝明の特集)。
「監督は孤独。嫌われていい」と腹をくくりながら、ぽつりと漏らした本音もあったの。
「監督を辞めたら、みんな付き合ってくれないかな…」
🌟 「まっちゃん、オレ、大丈夫だったやろ」
6月8日の未明、藤川監督は一番の友を亡くしたの。
「火の玉ストレート」という呼び名を生んだ元デイリースポーツ記者の松下雄一郎さん、55歳。
会社を辞めてからも「理解者でありたい」と、友として監督に寄り添ってきた人だったよ。
昏睡状態に入ったと知らせを受けた藤川監督は、着の身着のままでタクシーに飛び乗ったけれど、到着とほぼ同じ時刻に松下さんは息を引き取ったの。
最期の言葉は「あいつ、忙しいのに。来んでええのに」。
「球児の連覇を見届けたい」と願っていた松下さんの思いは、10月3日にかなったよ。
デイリースポーツの阪神担当キャップは、記事をこう結んでいたの。
「まっちゃん、オレ、大丈夫だったやろ。また泣いてるやん、まっちゃん-」
⚡ 勝負の一手は、工藤泰成の守護神起用
藤川監督が「勝負の1手」に挙げたのが、後半戦からの工藤泰成さんの守護神起用。
きっかけは7月29日のオールスター第2戦(富山)で、パ・リーグの投手がストレートで押して打者を差し込んでいるのを見て「間に合うかも」と感じたの。
その裏には、自分自身の経験もあったの。
「自分も、岡田顧問が監督だった2004年に経験があった。(後半の)半分のシーズンを、自分がセットアッパーで、久保田が抑えだった。半分なら、選手が水を得た魚のようになるというのを、僕が経験値として持っていた」
「勝負というのは常に賭け。成功すれば選手のものだし、失敗すれば私の責任」
工藤泰成さんと木下里都さんの“KKコンビ”が、目を見張るほどの成長で終盤戦を支えたよ。
「間に合うかどうか。あの時点で勝負でした。(中略)間に合ったなというところ」
🌀 7連敗、そして9月21日の涙
8月29日に優勝マジック「23」を初めて点灯させたけれど、9月は谷底を見たの。
60イニング連続適時打なしという極度の貧打で、今季最長の7連敗。
9月19日には、巨人に40日ぶりにゲーム差なしまで迫られたよ。
「なんで監督を引き受けたんやろ…」と追い詰められながら、球団OBにもらった勝ち運のお守りを右ポケットに忍ばせて、試合中に何度も触っていたよ。
そして9月21日のDeNA戦。
延長11回、大山悠輔さんのサヨナラ本塁打で激闘を制すると、ファンの熱狂が響く甲子園のベンチ裏で、涙があふれ出たの。
9月17日からの7連戦は6勝1敗。
祝勝会では、髙寺望夢さんの決勝2ランで勝った9月22日のヤクルト戦を「あの1勝がなかったら」と振り返っていたよ。
▲ 9/21 DeNA戦 工藤泰成・大山悠輔のヒーローインタビュー、藤川球児監督インタビュー(阪神タイガース公式)
🐯 「巨人にだけは絶対負けてはいけない」
子どものころは巨人ファンで、「平成の大エース」斎藤雅樹さんに憧れていた藤川監督。
それでも監督を引き受けて、歴代の阪神監督の歴史を追ったとき、こう感じたの。
「巨人にだけは絶対負けてはいけないということがある。それから阪神と巨人を、また西と東、東と西と、文化の勝負でもあるというところを、うたわれた先輩方の履歴がありました」
「私の自我ではなくて、阪神タイガースの監督としての誇りを持ってこの役割を全うしようと思ってやってきました」
巨人戦は16勝8敗1分。
そして史上初めて、「1位阪神、2位巨人」で決着したの。
「先輩方がいてくれたおかげだと思います」
▲ 8/30 巨人戦 3タテでマジック21、藤川監督「怯むことなく、みんな立ち向かった」(サンテレビ公式)
🏆 「誰ひとりとして欠けたらダメだった」
ビールかけでは「地獄の日々でしたよ」と本音をこぼしつつ、盟友のドリスさんに頭からビールをかけられて「誰ひとりとして欠けたらダメだった。それだけペナントをとるのは難しい」と笑顔をはじけさせたの。
祝勝会のあいさつでは、伏見寅威さん、元山飛優さん、ドリスさん、坂本誠志郎さん、大山悠輔さん……と、一人ひとりの名前を挙げてねぎらったよ。
深夜の特番では、監督業への思いもこぼしていたの。
「(笑顔を)出すことが許されない仕事だと思っています。これだけしんどいのかと。プレーヤーの時は楽だった。その時の監督にどれだけ迷惑をかけていたかと(今になって)思います」
🎉 「熱覇」が「連覇」に変わった日
10月4日、横浜スタジアムの左翼席からは「胴上げ」コールが起きて、「ちょっと恥ずかしいと言いますか。ファンの方にはいい報告ができたと思います」と照れくさそうに笑った藤川監督。
そして10月6日の甲子園で、待ちに待った瞬間がやってきたの。
ナインに両手で「7」を示して、その通り7度、宙に舞ったよ。
空中では、連覇の「2」を表すピースサイン。
今年は写真を撮ってもらうときもずっと「2」のポーズで、自分の中の約束事にしていたの。
セレモニーのVTRでは、最後に球団スローガンの「熱覇」が「連覇」に変わる演出も。
これは、昨年末のスローガン検討会で藤川監督が出したアイデアだったの。
「最初から連覇では選手も意識してしまう。最初は違う文字で、それが徐々に変わって、最後に連覇が出てくるというのはどうでしょう」
1年がかりの伏線を、きっちり回収してみせたね✨
▲ 2年連続8度目のセ・リーグ制覇!藤川球児監督、歓喜の胴上げ(阪神タイガース公式)
翌7日の広島戦は、西勇輝さんの引退試合。
阪神入団の“同期”にあたる近本光司さん、木浪聖也さん、小幡竜平さんをスタメンに並べて、マスクは梅野隆太郎さん。
2回途中での交代も、「1イニングだとまだファンの方も揃ってないかもしれない」という粋な計らいだったの。
延長11回のサヨナラ勝ちで、セ・リーグ5球団すべてに勝ち越す“完全優勝”も決めたよ。
それでも藤川監督は、喜びを見せなかったの。
「小さなことの積み重ねで、運がこちらに向いたと思う。ということは来年大変だぞというところですよね」
どこまでも、先を見ている指揮官だね。
そして10月8日、ヤクルトとのレギュラーシーズン最終戦は0−4で敗れて、79勝62敗2分、貯金17で全143試合を終えたの。
2年連続の80勝には届かなかったけれど、この日で個人タイトルも確定。
佐藤輝明さんが球団ではバースさん以来40年ぶりの三冠王に最多安打も加えた4冠、森下翔太さんが最高出塁率、髙橋遥人さんが最多勝と最高勝率、村上頌樹さんが最優秀防御率、才木浩人さんが最多奪三振。
あわせて9部門を、藤川阪神の選手たちが手にしたよ🏆
監督冥利に尽きるかと聞かれて、藤川監督は「そう思います」。
「ここで背中を押すべきか、ここで手綱を引くべきか、というのはすごく難しい」と、選手のコンディションと向き合い続けた1年を振り返ったの。
「自分が現役の時に指導者の方からしていただいて成績が伸びたことを最大限にやっているのみで。(中略)していただいたことを選手に返したということですね」
かねて口にしてきた“恩返し”が、9部門という形で実ったね💛
143試合を振り返った一問一答では、こんな言葉も。
「苦しめば必ず最後にいいことがあるんじゃないかと信じ続けたことが、自分自身の人生経験の中で大きな、これは大事な時間だと思いながら過ごさせていただいた。幸せな時間をいただきました」
「たった2年間ですけど、非常に覚悟のいる仕事だなと」
試合後、藤川監督はスタンドのファンにあいさつ。
「143試合、長いペナントレース、多大なるご声援ありがとうございました」
「たくさんのタイトルホルダーが出ました。高橋遥人も復活しました。最後には石井も復活しました。あきらめない姿、誇りにおもいます。その力が球団の連覇になりました」
そして、こう続けたの。
「数試合、優勝後のゲームを行うと、最後の大勝負が始まります。昨年、ソフトバンクホークスに敗れ去りました。その悔しさを皆さんで晴らしましょう」
甲子園には、大きな「球児」コールが響いたよ。
▲ 10/8 藤川監督スピーチ「昨年のあの悔しさを晴らしましょう!!!」(サンテレビ公式)
監督業は「農業に似ているね」
デイリースポーツのインタビューでは、143試合を「22年の現役生活と同じくらいだった」と表現した藤川監督。
種をまき、選手を育て、勝てるチームを作る監督業を、「農業に似ているね」と笑ったの。
義理のお母さんの影響で、農作業も経験しているんだよ。
「時間がかかるんですよ。自分がどう作り上げるかなんですよね、チームも、野菜も。時間がかかることが大事。やっぱりよく似ていますよね」
恩師・野村克也さんの教えも、今も胸に生きていて。
「よく叱られましたけどね、いまだに生きていますよね。長所を伸ばす指導と、短所を指摘する指導。人を遺すと、聞いておいてよかったなと」
CS会見のキーマンは近本光司
10月9日には、CSの共同記者会見に甲子園からリモートで出席。
「ベイスターズさんとジャイアンツさんの激しい争いがあって、その勢いが甲子園にやってまいります。それをはね返すだけの力を蓄えて、この甲子園で待ちたいと思います」
キーマンには、近本光司さんを指名したよ。
「近本を挙げたい。甲子園球場で1番としてどんなスタートを切り、リードオフマンとしての役割をしてくれるか、ここに期待したいと思います」
「これだけ頭の中が野球でいっぱいで(中略)今話しているだけでも気持ちが高揚して早く勝負がしたい」
▲ 【シーズン最終戦】昨年勝ち取れなかった日本一へ、最後の大勝負が始まる(阪神タイガース公式)
次に目指すのは、昨年逃した日本一。
14日からは、甲子園でCSファイナルステージが始まるよ。
このシリーズで紹介してきた選手たちと一緒に、今度は日本一の胴上げを見せてね🐯💛🔥
▲ 10/9「2026 JERA クライマックスシリーズ セ」共同記者会見(阪神タイガース公式)
🔖 あわせて読みたい
- 10月3日|【大願成就】球団史上初のセ・リーグ連覇なる【優勝】(藤川監督の一問一答)
- 9月21日|阪神3−2DeNA 執念8人継投&大山サヨナラHR【M10】
- 10月7日|甲子園で優勝セレモニー、藤川監督がピースで7度舞う
- 10月7日|阪神2−1広島 西勇輝の花道に梅野が初サヨナラ打
- 10月8日|阪神0−4ヤクルト 最終戦は黒星、いざCSモードへ
- 10月4日|連覇へ導いた虎の4番・佐藤輝明、三冠王へ驚異の進化(シリーズ1人目)
📚 参考ソース
- 藤川監督「史上1回もなかったことですから」/一問一答|日刊スポーツ
- 藤川球児監督「苦しかった…。よかったです…」|サンケイスポーツ
- 藤川監督「攻撃は全く口出ししたことない」|日刊スポーツ
- 藤川球児監督が「命を削った」連覇の舞台裏|スポーツ報知
- 藤川球児監督の心身を支えた英子夫人のお手製鍋料理|スポーツ報知
- 藤川球児監督 栄冠の陰に“ボイコット騒動”|スポニチアネックス
- 藤川監督から亡き親友へ「まっちゃん、オレ、大丈夫だったやろ」|デイリースポーツ
- 【阪神・藤川監督語録】「巨人にだけは絶対負けてはいけないというものがある」|スポニチアネックス
- 連覇果たした藤川監督が「巨人」に闘志燃やした理由|日刊スポーツ
- 藤川監督「これだけしんどいのかと。プレーヤーの時は楽だった」|日刊スポーツ
- 工藤泰成&木下里都リリーフ抜てきのきっかけは富山での球宴|日刊スポーツ
- 藤川監督「地獄の日々でしたよ」|東スポWEB
- 藤川監督あいさつ「元山が来てくれた」「大山すごかった」|日刊スポーツ
- 藤川球児監督、ファンの前で初めて優勝報告|スポーツ報知
- 藤川球児監督、7度の胴上げで両手Vサインの理由は「自分のなかで約束事」|スポーツ報知
- 藤川監督が7度舞った!甲子園で優勝セレモニー|スポニチアネックス
- 阪神・藤川球児監督「VIVANT」並みの伏線回収、26年球団スローガンに込めた意味|スポニチアネックス
- 西勇輝の引退試合で藤川監督が粋な演出 “同期”3選手がスタメン出場|デイリースポーツ
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- タイトル9部門ジャック「自分が現役の時にしていただいたことを選手に返した」藤川監督|日刊スポーツ
- 藤川監督「苦しめば必ず最後にいいことあると信じ続けた」143試合振り返り/一問一答|日刊スポーツ
- 阪神・藤川監督 監督業は「農業に似ているね」|デイリースポーツ
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- 藤川監督がCS会見で対戦心待ち「早く勝負したい」|日刊スポーツ
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